密教の仏様

阿弥陀如来

 仏様の中でもっとも広く知られた仏様ですが、密教の阿弥陀如来というと少々違和感をもたれるかも知れません。しかし阿弥陀如来は密教の曼荼羅に描かれておられます。
では密教の阿弥陀如来は、その他の阿弥陀如来と違いが有るのでしょうか。その内容的な違いを簡単に説明しますと、密教の阿弥陀如来は大日如来の働きの現れの一つであると考えますが、浄土系では、すべては阿弥陀如来の属性である 慈悲と 智恵によって生じる、と考えます。
 では阿弥陀如来とはどのような仏様なのでしょうか。無量寿経というお経によりますと、阿弥陀如来は過去に法蔵比丘と呼ばれておられた頃、二百十億の諸仏士と天人の善悪をご覧になり、無上の願を発して永い間瞑想され阿弥陀如来となられ、今もなお西方極楽浄土において説法をされておられます。
 先に、密教の阿弥陀如来は大日如来の働きの現れであるといいましたが、簡単に説明しますと、大日如来の徳を四つに分けて四つの仏を立て、総体の大日如来とあわせた五仏を諸尊の根本とします。この五仏の内、西方におられる仏様が阿弥陀(無量寿)仏で、その働きは、衆生をよく観察して誤らず、迷いを断ち、その願いを摂取されます。
 次に阿弥陀如来のお姿を考えますと、密教の阿弥陀如来の特徴は座禅のようなお姿で、お臍の前で両手をかさね指を組み合わせ(阿弥陀定印)たお姿が基本の形ですが、この他にも多くのお姿の像があります。阿弥陀定印のお姿は一般化され、浄土教系の阿弥陀様にも多く見られます。この阿弥陀様は定朝様式と呼ばれ、宇治の平等院が有名です。またこのページを開いておられる安楽寿院の御本尊もこの様式の阿弥陀如来です。

(平等寺住職大釜諦順記)


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